本日は、皆さんにあるテレビCMを見てもらおうと思います。 どうせ後でわかるので商品名も言ってしまいますが、『カロリーメイト』という栄養補助食品のコマーシャルです。
そのテレビCMでは、受験会場に着いて試験開始を待つ一人の女子高生が、受験当日までの1年間の自分を振り返ります。そして、その様子が、約6400枚の黒板アートでパラパラ漫画のように描かれます。
誰もいない放課後の教室で、一人自習をしていた自分。 通学電車で勉強しながら、同世代の若者が遊びに行く姿を横目に見ていた自分。 お風呂の中でも参考書を開いていた自分 …。
イライラして母親に当たってしまった自分。 その母親と合格祈願に行ったときの自分。 そして、試験会場で不安がピークに達したとき、そんな自分を支えてきてくれた人々の顔が黒板に浮かび上がります。
BGMは30年近く前にヒットした『夢をあきらめないで』という曲のカバーです。 では、見てみましょう。
( 体育館で実際に映像を流しました )
テレビCMの最後、いよいよ試験開始の合図があったとき、こんなコピーが流れました。
【 見せてやれ、底力。】
【 底力 】とは、「普段は隠れているが、いざというとき表に出る力」といった意味かと思います。 そういった点、「潜在力」とか「ポテンシャル」といった言葉に置き換えられるかもしれません。
確かに人は、何かの拍子に自分でも驚くような力、通常の自分の力プラス α の力を発揮することがあります。 ただし、もしそれが【 底力 】だとしたら、偶然の産物でもなければ、奇跡の賜物でもありません。
なぜなら【 底力 】とは、ある共通点をもつ人だけが、必然的に身に付けられる力だからです。 では、その「共通点」とは、いったい何でしょう? それは、不断の努力、つまり、絶え間ない努力です。
【 底力 】は、文字どおりその人の最も深い部分に蓄えられる力ですから、単発の努力では身に付けられません。 絶え間ない努力を積み重ねている人の中に、いつの間にか少しずつ蓄積されていくのです。
「努力は、必ず報われる」という絶対の保証があれば、誰もが努力するでしょう。 しかし、多くの場合私たちは、「もしかしたら、報われないかもしれない」という不安を抱えながら努力をしています。
だからこそ、努力の過程でイライラすることもあるし、何もかも投げ出したくなることもあるのです。 それでも、ぎりぎりのところで踏みとどまって、努力を継続していけるかどうか …。
それこそが、【 底力 】を身に付けるための、唯一と言っていいハードルだと思います。
私はあのテレビCMを見たとき、黒板に描かれた受験生の姿が、定期考査を控えた皆さんや、高校入試が迫ってきた3年生の皆さんの姿とだぶって見えました。 だから、今日この話をしたのです。
【 見せてやれ、底力。】
それが高校入試であれ、学校の定期考査であれ、【 底力 】を発揮できる人であってください。 そのためにも、夢を諦めない気力と情熱をもち、長い時間をかけて努力できる強さを養いましょう。
その強さは、入試や定期考査に限らず、人生のさまざまな場面で発揮されるに違いありません。 そして、通常の力プラス α(アルファ)の力を、自分に与えてくれることでしょう。