しかし、先生方のご指導と先輩方の助言のもと、どんな困難があってもくじけず、乗り越えていきます。
　私は中学校生活で頑張っていきたいことが二つあります。
第一に学習です。今まで以上に内容が難しくなり展開も早くなるというのをお聞きしました。また新たに英語も、本格的に始まります。私は中学で習ったことを将来に生かせるようにするという目標がありますので、しっかり授業に集中して、先生の話を聞くことを心がけて学習します。
　第二に部活動です。小学校のクラブ活動とは異なり、練習が厳しくなるとお聞きしました。部活動のきまりや役割など覚えなければならないことがあると思いますが、好きなことなどで力を伸ばすため、一生懸命がんばっていきます。そして先輩がたに学び一日も早く稲中生として活躍したいです。
　校長先生をはじめ多くの先生方、ご来賓の皆様、保護者の方々、まだ不慣れな私たちは様々な場面で助けていただくことがあります。しかし自分の力で前に進んでいくということを目標に努力してまいりますので、どうぞ温かく見守り、支えてください。そして授業や部活動、学校行事など、どのような場面でも全力で取り組んでいき三年後、稲付中学校の生徒であったことをほこりとする卒業生になるために、努力していくことをここに誓います。

　　　　　平成３０年４月９日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第７２回 新入生代表

　新入生のみなさんは、今日をどのような気持ちで迎えましたか。おそらく、中学校生活への期待とともに、新しい環境に対する不安も少なからず感じていたと思います。「先輩は怖くないのか。」「勉強についていけるのか。」「クラスになじめるのか。」と、様々な思いがあるでしょう。二年前の私たちも同じでした。しかし、そんな不安感はすぐになくなります。先輩は皆優しく、先生方は授業を丁寧に教えてくれます。
　安心して中学校生活のスタートを切ってください。また、新しい環境での生活の始まりは、自分を変えるチャンスです。「勉強を頑張る」「友達をたくさんつくる」「部活動に一生懸命取り組む」など、三年間の目標を立ててみてください。そうすることで、自分を大きく成長させることができます。人見知りだけど、あの子に話しかけてみよう。人前に立つのは苦手だけど、委員会に立候補してみよう。そんな小さな目標でも構いません。それらの努力は、毎日続けていくことで必ず良い結果となり自分に返ってきます。ぜひ、自分の中で目標を立て、充実した中学校生活を送ってください。
　新入生のみなさんが三年生になるこの二０二０年には、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。中学校三年生になったときのみなさんは、十分オリンピック・パラリンピックに貢献できるようになっていることでしょう。稲付中学校は、オリンピック・パラリンピック教育アワード校に指定されています。このことを通して、東京都庁で普段の取り組みを発表したり、オリンピアン・パラリンピアンの方を招いてご指導いただいたりもしました。このようなことを通し、三年間で成長したところを生かして、素晴らしい力を発揮できるようになってほしいと思います。
　義務教育の最後である中学校生活は三年間、長いようで短く、あっという間に過ぎてしまいます。三年間をただなんとなく過ごすのではなく、様々なことに挑戦し、いろいろな力を身につけてください。私たちも先輩としてみなさんをサポートし、ともに成長していきます。みなさんと送る充実した中学校生活を楽しみにしています。これから、ともに笑い、ともに学び、ともに助け合いながら歩んでいきましょう。

　　　平成３０年４月９日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　在校生代表　町田真菜

　さて、新入生の皆さん入学おめでとうございます。希望に満ち溢れた１２６名の新入生を迎えることができ、大変うれしく思います。今日から皆さんは、稲付中学校の一員として、その第一歩を踏み出します。
　真新しい制服に身を包み、整然と座っている姿は、とても立派で、頼もしく感じられます。つい、２週間前に小学校を卒業したばかりとは、とても思えません。ご家族の方や小学校の先生方も、きっと喜んでいることと思います。
　みなさんは６年前、小学校に入学した時のことを覚えていますか。大きなランドセルを背負い、小学校の門をくぐった時のことを。小学校時代は長かったでしょうか。それとも、短く感じましたか。６年間があっという間に過ぎてしまった、と感じている人もいることでしょう。
　これから始まる中学校生活は、小学校の半分、わずか３年間しかありません。
　今、みなさんは、期待と不安が入り交った複雑な気持ちでいることと思いますが、中学生としての抱負や決意を大切に、新鮮な「今の気持ち・今の思い」という初心を忘れずに、３年間を過ごしてください。
　「学習に真剣に取り組む」、「部活動に全力で打ち込む」、「行事は意欲的に参加する」など、自分自身の目標をしっかり持ち、その達成に向けて努力を重ねてください。
　みなさんがこれから過ごす３年間は、人生において重要な時期になります。なぜなら、心と体が飛躍的に成長するときであり、多くのことを学び、吸収できる時期だからです。
様々な活動を通して、たくさんの充実感や達成感を味わえることを願っています。

　そこで、入学にあたり、皆さんに「長い箸」というお話をしますので、一緒に考えてください。
　『 あるお屋敷の中では、人々がいくつかのグループに分かれて生活しています。
　そろそろ食事の始まる時間です。大きな丸いテーブルには、おいしそうなご馳走が、所狭しとたくさん用意されています。
　ここでの食事のルールは、たった一つ。一人ひとり配られた箸を使って食べることです。しかし、その箸の長さと言ったら２メートルほどもあるのです。自分の身長以上もあるような長い箸。必ずその箸を使って食べなければならないというのが、ここでのきまりです。手で食べ物をつかもうとか、ずるいことをすると、たちまちご馳走は消えてしまうのです。
　とんでもなく長いその箸で、自分の口にご馳走を運ぼうとしますが、何度やっても食べ物はこぼれるばかりで、食べることができません。
　「お前の肘が邪魔で食事ができん。もっとあっちへ行け。」
　「なんだと〜。お前の方が邪魔で、うまく箸が使えん。」
　ご馳走を目の前にして、お互いにののしり合うばかりで食べることができず、みんなイライラ、争いが絶えない状態でした。
　一方、隣の部屋でも食事の時間でしたが、こちらの人たちはというと、たくさんおいしいものを食べ、誰もが幸せに満たされた顔をしています。
　なぜなら、みんな、その長い箸を人のために使っていたのです。ご馳走を挟んで向かい側にいる人に「はい、どうぞ」と食べ物を届けていたのです。』

　けんかばかりでいつも空腹に苦しむ人々、おなかが満たされ、みなが笑い合える幸せな人達、みなさんは、３年後、どのような仲間になっているでしょう。
　同じ環境・同じ条件の中にあっても、考え方や心の持ちようによって全く違う世界になるのです。
　人は誰しも自分が大事です。つい自分のことを中心に考えてしまいます。しかし、ほんの少し「自分」「自分」という思いを抑えることで、世界が変わることもあるのです。
　「こうなるはずだ」と言う固定観念や数少ない自分の経験だけで物事を決めつけず、新しい仲間と互いに協力し、支え合う気持ちを大切にしてください。そのことが、楽しく明るい中学校生活を、自分たちで作りだしていくことにつながります。まずは、「あなたからどうぞ」と、長い箸を相手のために使うことを考えてみましょう。　

　改めまして、保護者のみなさま、お子様のご入学誠におめでとうございます。少し大人びた制服姿に成長を実感し、喜びもひとしおのことと拝察いたします。
　稲付中学校に入学して、良かったと思われるよう、私ども教職員一同、全力を挙げて、教育活動の充実を図り、お子様の成長を支援してまいります。
　学校は、生徒が主役であるべきところだと私は常々考えております。そのためには、生徒自身が主体性を持って活動し、活躍することが大切です。稲付中学校では、知恵を出し合い、柔軟な発想を持って、何事にも取り組むよう促しております。ご家庭におかれましても、お子様の自立が進むよう、自ら考え、判断し責任ある行動がとれるようご指導いただきますようお願いいたします。

　中学生の時期は、個人差はあるものの心も体も大きく成長します。
　ものの見方や考え方も広がり、知識も深まり、より行動的になることでしょう。また、将来に向けた進路選択も必要になってまいります。これまで以上に、お子様の良き相談相手となっていただき、家庭・地域・学校が関わりを深め、お子様の健やかな成長を支えたいと考えております。
　お子様の様子で気にかかることなどがございましたら、遠慮せずにご相談ください。私たちからも保護者の皆様方にご連絡を差し上げることもあるかと存じます。その節は、ご協力、ご理解くだされば幸いです。
　
　結びにあたり、本日ご臨席賜りましたご来賓の皆様に感謝申し上げますと共に、今後も本校の教育活動を温かく見守りいただきますようお願い申し上げ、式辞といたします。

　　　　平成３０年４月９日
　　　　　　　　　　　　　　東京都北区立稲付中学校長　高田 勝喜