3月24日 助走のとき校長先生の式辞の一部を紹介します。 今日は一年のゴールです。皆さんは様々な場面を通して大きく成長してきました。成長して力を発揮するには、次の3つの条件が必要です。 1.自分の目標、目的をはっきりさせて行動する。 2.やろうとする気持ちを持って、一生懸命に努力する。 3.自分や相手の考えをお互いに理解しあい、力を発揮する。 今年一年、苦しいこともあったでしょう。しかし、苦しいことは全部自分の力になったのです。この春休みは、次のステップへの助走のときです。助走なくして飛躍はありません。力を蓄えましょう。 続いて生徒指導、安全指導、部活動指導の先生からお話がありました。その中から。 チームとグループは何が違うのか分かりますか?皆さんの学級はチームかグループかどちらですか?皆さんの部活動はどちらですか?組織行動学という学問では、成果の総和がそのまま成果として現れるのがグループ。成果の総和を越える成果を生み出すのがチームといわれています。すなわち、1+1が2にしかならないのがグループで、1+1が3にも4にも100にもなるのがチームです。よいチームを作るための3つのポイント。敬意・傾聴・感謝。この3つを、顧問にだけでなく、お互いチームメイトにも持ち続けることが、チーム力を向上させるポイントです。よいチームを作り、つよいチームにしていきましょう。 どの先生からも、この春休みを助走期間とし、次へのステップアップを図ろうとのお話に通じていました。皆さん、良い春休みを、力となる春休みを過ごしましょう。 3月6日 卒業式 校長式辞今日は、昨日の卒業式での式辞を掲載しますので、ご一読ください。 (一部割愛) 卒業生の皆さん。ご卒業おめでとうございます。 今日の卒業に際して、なによりもまず、周りの全ての人への「感謝」の気持ちをしっかりと言葉にして伝えてください。皆さんにとって、この世に生まれてから今日まで関わった人のなかで、たった一人でも欠けていたら、今日の皆さんはありませんでした。ですからまず「ありがとう」の気持ちを伝えてください。 さて、私は入学以来三年間「自立と貢献」を掲げ、自分の「根」をしっかりと張ることの大切さを、繰り返しお話してきました。あらためて今日、次の言葉を送ります。 「自分は 自分の責任者 世界でたったひとりの 自分をつくっていく 責任者」 東井義雄 この言葉には、皆さんがこれからの人生を生き抜くための大きなヒントが込められています。 人生は、「努力の縦糸」と「運命の横糸」からなる織物です。縦糸がしっかりと張られていなければ、いくら横糸を通してもいい布はできません。努力を重ね、人との出会いを活かしきることで運命は開けます。 ではいつ、どのように「自分の責任者」として努力していけばいいのでしょうか。その答えは、すでにみなさんの中学校生活三年間にありました。 日々の学習、清掃、生徒会活動、部活動、そして修学旅行などの宿泊活動、体育祭、合唱コンクールなどの群団活動。さらに、「小中合同のあいさつ運動」老人会のみなさんとの「ごみゼロ運動」などのボランティア活動を思い出してください。 それぞれの活動に、より高い目標をもって、誠実に、しかも粘り強く取り組んだことで、「自分への責任」を果たせたのだと思います。 そして、それと同時に、みなさんはかけがえのない貴重なふたつの「心」を手に入れたことに気づいているでしょうか。 そのひとつは「利他の心」です。他者への思いを第一に考え、行動しようとする「利他の心」です。 みなさんには、相手を思いやる優しさ、自然やいのちの尊さを感じ取る繊細な心が、着実に育ちつつあるのです。 たとえば、ごく自然に教室や廊下の汚れが気になる習慣が身に付き、懸命に清掃に取り組む姿や、「群団活動」で、後輩たちのために、指導方法を工夫したり、励ましの言葉を投げかけたりする姿に、「利他の心」はしっかりと現れていました。 ふたつめは、「あきらめない心」です。 勇気を出して、困難に立ち向かおうとする力は、これからの人生を生き抜くための、大きな糧となることでしょう。大会で、苦しい試合を勝ち抜いて手にした「勝利」の喜びを味わった人。体育祭や合唱で、思うように力を出し切れないまま終わってしまった人もあるでしょう。時には、自分を見失いそうになることさえあったはずです。でも、そのひとつひとつが、今のみなさんを強くたくましくさせているのです。 若さの中心を占める価値のひとつは、「飢え」、つまり空腹感です。人一倍の夢や希望、理想や目標、憧れを見失うことなく、求め続ける力、飢餓感こそが、努力や自己変革のエネルギー源になります。 ただがまんするのではありません。夢の実現に向けた「あきらめない心」をしっかりと持ち続けてください。 そして卒業後も、いや卒業後こそ、「利他の心」そして「あきらめない心」を胸に刻み、夢の実現に向けて情熱を燃やしてほしい。本物の幸せをつかんでほしい。心からそう願っています。 最後に、イギリスの貴族の家に生まれ、さまざまな人生を紡いで、現在京都大原、築百年以上の古民家に暮らすイギリス人女性、ベニシア・スタンリー・スミスさんの「幸せ」についてのメッセージをみなさんに送ります。 人生は月のように満ち欠けするもの 良い事もあれば悪い事もある 次に何が待ち受けているかわかりません 予想もしなかったことが起きたり、愛する人を突然失ったりすることもあるでしょう ありのままに受け入れるすべを、ゆっくりと身につけていくのです そして 運命は偶然ではなく、自ら選びとっているのだと気づくのです その瞬間を一生懸命に生きることが人生を楽しくしてくれる 心を静めれば美しい世界に囲まれていると気づくでしょう 髪を揺らす風や赤ちゃんの笑顔 美しい花に止まる蝶のように 幸せは自分の心しだいです ベニシアスミス 人は、年を重ねただけで、老いるものではありません。二十歳の年寄りもいれば、百歳の若者もいます。大切なことは、「心の持ち方」なのです。いつも夢を失わず、日々成長し続けるみなさんであってほしいと思います。 いよいよ巣立ちのときです。今日まで皆さんを支え続けていただいた、ご家族はもちろん、皆さんが、地域で貢献できるように、機会を惜しみなく与えていただいた、地域の皆様への感謝の気持ちを忘れずに、心豊かな人生を自ら切り拓いていってください。皆さんの健闘を、心から祈っています。 平成27年3月5日 一宮市立今伊勢中学校長 森 義 朗 |
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