一宮市立木曽川中学校

3.6(水) 卒業式を終えて

 第77回卒業式が終わり、319名の生徒が木曽川中学校を巣立っていきました。新しいステージでの、卒業生のますますの活躍を心から期待しています。卒業式の式辞を紹介します。
 冬の寒さも和らぎ、桜の開花も待ち遠しいこの佳き日に、本校を巣立ちゆく三百十九名の皆さん、卒業おめでとうございます。
<中略>
 卒業生の皆さん。
 皆さんの三年間を振り返ると、入学当初から、コロナウイルス感染症による、さまざまな制限のある生活が続きました。
 三年生となり、五月、修学旅行間近になって、ようやく普段の生活が戻ってきました。
 修学旅行では、気兼ねすることなく、友人との会話を楽しみ、横浜散策や、東京での研修を通して、新たなことを学ぶことができました。仲間と共に過ごした三日間は格別だったことでしょう。
 体育祭では、オーロラ〜輝け個性 千人でつくる 最高の体育祭〜のスローガンのもと、力強く、息の合ったダンスや迫力のある応援合戦で、木曽川中学校の体育祭を見事に作り上げてくれました。
 合唱コンクールでは、一人一人が魂を燃やし、全員で奏でるハーモニーは、学級が一つになる素晴らしさを伝えてくれました。
 また、部活動や清掃・委員会活動など、日々の生活でも、「木中三年生」として学校を牽引してくれました。皆さんのひたむきな姿は、本校の後輩たちにしっかりと引き継がれていくでしょう。
 2024年、一月一日。まさに、その日に発生した大地震は、能登半島を中心とした地域に甚大な被害をもたらしました。ライフラインの復旧に時間がかかり、今なお、多くの人たちが困難な生活を送っています。他人ごとと思わず、支援の輪がさらに広がり、一日も早く復興するよう、心から祈りたいと思います。
 連日の地震報道からしばらくして、ジャクサの小型月着陸実証機、スリムが、月面への着陸に成功したという嬉しいニュースが報じられました。
 月面への着陸は、日本初のことであり、世界でも五番目となる快挙でした。しかし、月面への着陸以上に世界中が注目したのは、世界初の「ピンポイント着陸」でした。スリムは、誤差百メートル以内の着陸に成功し、目標着陸精度をさらに大きく向上させたのです。
 このピンポイントの着陸によって、月の岩石の詳しい観測や、持続的な探査を行える可能性が高まるそうです。
 世界初の素晴らしい技術は、今後、月探査だけでなく、宇宙開発全体にも大きく貢献することになるでしょう。
 スリムの月面着陸の成功まで、約八年もの間、研究や改良が繰り返されました。この原動力となったのは、計画に携わった人たちの、常に高みを目指そうとする、チャレンジ精神であったと思います。
 より精度の高い月面着陸を目指し、新たな技術を開発し、ピンポイント着陸に挑んだチャレンジ精神こそが、この計画の成功の源になったのではないでしょうか。
 卒業生の皆さん。
 皆さんは、予測することさえ難しい、大きな変化が続く社会を生きていくことになります。生成AIの進化は、今後さらに加速し、生活を一変させることになるでしょう。
しかし、どのように社会が変化しようとも、常に高みを目指し、挑戦し続けることが、自分を支え、これからの自分を成長させる大きな力になるはずです。
 「想〜自分を想い、人を想い、夢を想う〜」
 この言葉は、三年生の先生方の願いが込められた、皆さんの学年目標です。「想」というこの漢字には、心に姿を描くという意味があります。
 未来に向けて、木曽川中学校での学びを糧に、「想」の言葉通り、理想とする自分の姿を描き、優しさをもって人を想い、大きな夢を追い続ける、その気持ちを大切にしてほしいと思います。
 終わりに、第77回卒業生の皆さん。皆さんの、健康と活躍を祈り、夢あふれる素晴らしい未来を、築きあげてくれることを願って、式辞といたします。



【校長室】 2024-03-06 14:44 up!