一宮市立木曽川中学校

6.07 「安全リボン」について伝えました

 本日の給食の時間、放送で木中の「安全リボン」についての話をしました。リボンに込められた安全へのメッセージを、しっかりと受け止めてほしいと思います。
 『みなさんの制服についている「命を大切に」と書かれたリボンを、「安全リボン」といいます。8年前に「交通安全リボン」から今の「安全リボン」に名前が変わり、新しいリボンになりました。
 最初に、8年前までの「交通安全リボン」について話をします。
 「交通安全リボン」は、木曽川中学校独自のものです。木中生がこのリボンをつけるきっかけとなったのは、今から50年近く前におこった交通事故でした。下校途中、学校のすぐ東の道路で、一人の男子生徒が大型トラックにひかれて、尊い命を落としました。その生徒の死は、木曽川中学校だけでなく、地域をも深い悲しみに包みました。友達も先生も皆が彼の死に涙を流しました。
 しかし、だれよりも悲しんだのは、彼の両親でした。自分たちの大切な子どもが、突然の事故でこの世からいなくなってしまったのです。両親は、毎日毎日彼のことを思い、涙を流し、「自分たちが車に気を付けるようにと、普段からもっと注意していれば・・・」という後悔の気持ちだけが、日々大きくなりました。
 彼の両親は「自分たちのような悲しい思いを、他の誰にもしてほしくない。このような交通事故を絶対になくしたい」と考えるようになりました。
 そして、自分たちに何ができるのか、常に交通安全を意識するにはどうしたらいいのか考え抜いた末、彼の両親は、当時の木中生、全員分の腕章を木曽川中学校に寄付してくれました。生徒たちは毎日「交通安全」と書かれた腕章をつけて登校し、常に交通安全を意識することができるようになりました。腕章の色と「交通安全」の文字が引き継がれ、交通安全リボンへと形を変え、8年前まで常に木中生の腕に付けられてきました。この「交通安全リボン」が誕生してから、木曽川中学校では交通死亡事故は起こっていません。彼の両親の願いが続いているのだと思います。
 そして、8年前に現在の「安全リボン」という新しい名前と形に変わりました。平成26年6月9日に、木曽川で起きた水難事故で、当時1年生の男子生徒を含む、3名の尊い命が失われたことがきっかけでした。
 このような悲しい事故を二度と起こさないようにと、PTA役員の人たちが中心になって、先の交通事故と川の事故を考え合わせながら、一人一人の命をもっと大切にしてほしいという願いで、リボンを新しく作り変えることにしました。
 そして、文字を「命を大切に」と新しくし、素材も夜間の車のライトに反射するものに変えました。さらに、川をイメージする青いラインを入れるなど、安全への思いや願いが込められた新しい形になりました。
 このような過去を踏まえ、木曽川中学校の「安全リボン」があります。2つの悲しい事故、交通事故と川の事故を忘れてはいけません。「安全リボン」を付け、自分の命、そして周りの人たちの命も大切にしながら、これからも生活してほしいと思います。』



【校長室】 2023-06-07 15:17 up!