愛される学校づくり研究会

★人間には誰にも知的好奇心があります。仕事のため、趣味のため、実益のためなど、様々な目的で我々は学びます。学校のころから勉強が好きだった人も、社会人になってから学ぶ楽しさを感じた人もあるでしょう。ここでは、その楽しさを感じることになったきっかけを振り返り、学ぶことの楽しさを教えてくれた人やことについて紹介します。

【 第4回 】日々学ぶということ
〜株式会社EDUCOM 弓削 郁子〜

「学ぶことの楽しさを教えてくれた人」というフレーズを聞いて、一番に思い浮かぶ人がいます。それは中学校時代の恩師です。

私の通っていた中学校は1学年10クラスの大きな学校でした。私が1年生で入学したとき、1学年の担任の先生は約半数が新任の先生でした。先生も1年生ですね。私のクラス担任になった先生も、1年目の体育の先生でした。ほとんどの先生が学年持ち上がりでしたので、2年時は、一緒に教師2年生になった理科の先生、3年時も教師3年生の数学の先生が担任でした。

中学の3年間ではクラス担任の先生に限らず、教科担任の先生、生活指導の先生、学年主任の先生、全ての先生からご自身の学生時代の話を聞かせていただいたことを覚えています。学年集会の場でみんなへのメッセージであったときもあれば、授業中のひとコマ、休み時間の会話などでした。
 どうして教師になろうと思ったか、教師になるためにはこんな試験があるんだよ、実は他に目指していた職業があった等々、中学3年時には必ずやってくる進路決定に繋がるような話を1年生の頃から聞いていたように思います。私も自分の進路を決めていく中で、「こうしよう!」と思っても先生方から少しでも自分の興味ある話が出てくると、「こっちも調べてみよう、こっちにしようかな…」と惑わされるほど、先生方のお話は多彩なものでした。授業よりもそんな普段の先生からのメッセージのほうが大人になった今も心に残っているくらいです。

学生時代の話をしてくださる先生は(失礼ですが)とても輝いていたことが思い出されます。真面目な話ばかりではなく、授業を抜け出して遊びに行った話やサークルでの思い出話、時には恋愛の話をされる先生の顔が、授業中の先生の顔ではなくなることも一つの楽しみでした。
 そんな3年間でも一番鮮明に覚えている場面があります。それは卒業式の日の最後のホームルームです。先生から「みんなが1年生で入学したとき、僕も一緒に1年生になりました。今、みんなと同じ3年生です。この3年間でみんなと一緒に多くのことを学びました」という言葉がありました。先生はなんでも知っていて、私たちを引っ張ってくれる「先生」という存在だったので「みんなと一緒に多くのことを学びました」という言葉には不思議な感じがしましたが、大人になっても続くんだ、1人じゃ学べないんだ、と思ったことを覚えています。
 同窓会で先生方にお会いすると、「昔と違って今はこういう機器があってこんな授業してるんだよ、パソコンとか使ってるんだよ!」と、話してくださいます。でも、そんな機器の扱いに慣れず、それもまた日々勉強だということも…。そんな先生方の表情はとても素敵で、また私も新しいことを知りたくなります。

今、私はEDUCOMの社員として多くの先生方とお話する機会をいただいていますが、仕事の中でも他愛ない会話をしてくださる先生がたくさんいらっしゃいます。
 そんなとき、必ず中学時代の先生を思い出し、こうやって先生は日常から小さなヒントをたくさんくれてたのかなと感じます。日常生活で知識が増える楽しさは大人になってから強く感じるようになりました。
 中学生時には先生方から多岐にわたるお話を聞きながらいろんな分野に興味を持ちながらも、私は高校から音楽科に進学し、大学もその道に進みました。好きなことだけ勉強できる!と、一意専心でしたが、一を識りて二を知らずではいけませんので、これからも触れたことのない分野に目を向け学ぶ機会を自分に課していきたいと思います。

(2014年8月25日)

学ぶ楽しさ

●弓削 郁子
(ゆげ・いくこ)

3歳からピアノを習い、外出をしていてもピアノが弾きたいから帰ろう!と母親を困らせるほど、ピアノが大好きで毎日何時間も練習していた。高校は音楽科へ、大学もその道へ進んだ。4週間の教育実習時に学校の先生の多岐にわたる仕事を目の当りにし、学校を支える仕事にも興味を持つ。ふとしたことからEDUCOMを知り入社。現在は愛知県を中心としたヘルプデスク業務、通知表作成業務を取りまとめている。
 私生活では家事が息抜き。仕事からの帰り道では、夕飯のメニューと帰ってからこなす家事の時間配分を考えながら、仕事モードを主婦モードへと切り替える。仕事でも私生活でも、隙間時間の有効活用を常に考えていたい。