愛される学校づくり研究会

校長塾 経営力を高めるためのポイント

★このコラムは、平成25年3月から9月まで、26回にわたり、日本教育新聞に連載をしてきた「校長塾 経営力を高める最重要ポイント」の続きです。「ぜひ継続を」という声をいただき、この場をお借りすることにしました。校長としての様々な実践事例を紹介しながら、私が考える学校経営力を高めるためのポイントを示していきたいと思います。主な対象は、若手管理職やミドルリーダーのみなさんです。「なるほど!こういう方法があるのか」「このようなことに心掛けるべきなのか」と、心の中にストンと落としていただけるコラムになるようにいたします。どうぞよろしくお願いします。

【 第22回 】己の授業を語る(3)
―インタビュー後の笑顔が語る―

第三回目は「己の授業を語る」取組の成果を報告しておきたい。予想もしなかったことだが、いつもこの取組の成果が自然に表れる場面がある。それは、インタビューアの原愛樹さんからの取材を終えて、応接室から出てくるときの教員の表情である。だれもが何とも言えないとても良い表情をして出てくるのだ。

その表情を見て、思わず口に出ることがある。
 「楽しかった?」
という言葉だ。この言葉が出なかったときは皆無だ。
 「ええ、こんな楽しかったのは久しぶりです」「いやあ、語ってしまいました」「原さんはめちゃくちゃ聞くのがうまいです。ドンドン引き出してもらったという感じです」などと、飛び切りの笑顔でこうした返事が返ってくる。相当、楽しいらしい。

考えてみると、よくわかる。授業のこととはいえ、己のことを1時間ほど聞いてもらえるのだ。ベテランであっても、これまで自分の授業づくりについて1時間も第三者に話したことはないはずだ。楽しくないはずはない。

この取組の価値づけをするために次のように話したことがある。

「授業力向上の方法には様々な方法があります。講演を聞く、他者の授業を見る、研究授業をする、研究協議をする、アドバイザーから助言をもらう、教育書から学ぶなど、様々です。原さんというクリエイティブ・ディレクターとの出会いがあって、ひらめいたのです。教育者でない方に自身の授業について語ることも授業力向上になると。さっそく「新しい学校づくり事業」で予算を獲得して始めることにしたのです。
 皆さんには、原さんが聞かれることをあらかじめお知らせしていますので、それぞれに考えて臨んだことでしょう。それが大切だと思っています。インタビュー中には、自分がこれまで何気なく考えてきた授業のこと、授業づくりへの思い、鍛えるという言葉の自分の解釈などが、はっきりしたという感覚を持ったことでしょう。ここにもこの取組のよさがあると思っています。
 原さんはとても素敵なレポートにまとめていてくださいますね。机上に置かれたときに、だれもがすぐに読んでおられます。この取組の効果をより上げるために、時にはこれまで出されたレポートを読み返していただきたいのです。紙上による授業観の交流をしたいのです。私には一律の授業づくりをしようという考えはありません。それぞれがしっかりとした授業観をもって授業に日々こだわって取り組んでいただきたいのです。原さんのレポートは、間違いなく効果ある刺激剤となっているはずです」

<原さんのレポート例>

まきちゅうReport

この取組の成果は、残念だが数値で語ることはできない。授業を変えるのは日々向上しようとする己のこだわりしかないと思っている自分にとっては、意義ある取組だと確信している。

(2015年2月9日)

準備中

●玉置 崇
(たまおき・たかし)

1956年生まれ。1979年教員スタート。小学校、中学校教諭を経て、1998年教頭、2004年校長に就任。2007年より愛知県教育委員会指導主事、主査、海部教育事務所長を経て、2012年に小牧市立小牧中学校長に就任。学び続ける子供を育てるために、地域・保護者と一体となって「親子で学ぶ小牧中特別講座」など独自の取り組み実践中。
著書には、「玉置流・学校が元気になるICT活用術―ICTは学校力向上ツール 」(プラネクサス)「学校を応援する人のための学校がよくわかる本(1)(2)」(プラネクサス)「スペシャリスト直伝!中学校数学授業成功の極意」(明治図書)など多数。
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