愛される学校づくり研究会

校長塾 経営力を高めるためのポイント

★このコラムは、平成25年3月から9月まで、26回にわたり、日本教育新聞に連載をしてきた「校長塾 経営力を高める最重要ポイント」の続きです。「ぜひ継続を」という声をいただき、この場をお借りすることにしました。校長としての様々な実践事例を紹介しながら、私が考える学校経営力を高めるためのポイントを示していきたいと思います。主な対象は、若手管理職やミドルリーダーのみなさんです。「なるほど!こういう方法があるのか」「このようなことに心掛けるべきなのか」と、心の中にストンと落としていただけるコラムになるようにいたします。どうぞよろしくお願いします。

【 第16回 】「教育と笑いの会」開催の前に
―野口先生からの宿題の答―

この夏、「教育と笑いの会」を開催する。今回はこの会のことについて書いておく。

会を立ち上げることになったのは、野口芳宏先生からの提案があったからだ。25年10月に教師力アップセミナー講師として、この地区へお越しになった野口先生。控室へ行くと、「ああ、玉置さん。待っていたんだよ。あなたを!」という、あの甲高い声。大尊敬をしている野口先生を待たせていたことに恐縮して、直立不動で話をお聞きする。

「あのねえ、あなたは落語をするでしょ。最近、思うのだよ、教育界があまりにも元気がない。笑いで元気を出させる会を立ち上げようじゃないか」

このように言われたのだ。しかし野口先生が望んでおられることが今一つ分からない。「具体的にはどのようなことをお考えなのでしょうか」とお聞きする。

「そこはあなたが考えてくれたらいい。あなたは会長だ」

野口先生らしいご返答で、大変な宿題をもらったと思った。全国各地の教育を肌で感じられておられる野口先生が言われることは間違いがない。なんとしても野口提案を具現化させようという思いを持って「ならば、先生は名誉会長をしてくださいよ」とお願いをした。

そこからしばらく苦しみが続いた。何をしたらよいか。単なるお笑いの会では、立ち上げる意味はない。浮かんだのは有田和正先生の名言だ。

「笑いのない授業をした教師は逮捕せよ」

野口先生の授業は「鍛える」という厳しいイメージを持っている方が多いと思うが、必ず笑いがある。有田先生ほどの笑いの量はないが、いわゆる授業の受けの部分(例、子どもの発言を取り上げる)で、野口風味の笑いを巻き起こす。私も授業では、笑いを意識している。附属名古屋中学校での公開授業前に、参観者に言われたことがある。「玉置先生の授業で楽しみにしているのは笑いです。今日もよろしくお願いします」と。「よろしく」と言われても、子どもとのやりとりで生まれる笑いなので、保証はできなかったが、結局、笑いがない公開授業となったことは一度もない。有田先生も野口先生も、そして僭越ながら私も、笑いの効用を肌で知っているから、授業での笑いを重要視する。会の中で、「授業での笑いの効用を語ろう」と構想の一つが固まった。そして授業でも講演でも、笑いにこだわっておられる愛知教育大学の志水廣先生にも出演依頼をした。「それは面白い」という一言があって快諾だ。

「教師は話術を磨け。落語を聴くことが大切だ」と言われる。とはいえ、生落語を意識して聴いている教師は少ない。そこでこの会で、活きの良いプロ落語を聴いてもらうことにした。構想の二つ目が決まった。

私のイチオシは桂雀太。依頼をしたところ、「8月16日は5年前から空けて待っていました」という返答。雀太の前に自分が落語をして、プロの凄さを大いに感じてもらうことも決意した。

皆様、ぜひご参加ください。お待ちしています。
 申込はこちらのサイトから。

(2014年7月21日)

準備中

●玉置 崇
(たまおき・たかし)

1956年生まれ。1979年教員スタート。小学校、中学校教諭を経て、1998年教頭、2004年校長に就任。2007年より愛知県教育委員会指導主事、主査、海部教育事務所長を経て、2012年に小牧市立小牧中学校長に就任。学び続ける子供を育てるために、地域・保護者と一体となって「親子で学ぶ小牧中特別講座」など独自の取り組み実践中。
著書には、「玉置流・学校が元気になるICT活用術―ICTは学校力向上ツール 」(プラネクサス)「学校を応援する人のための学校がよくわかる本(1)(2)」(プラネクサス)「スペシャリスト直伝!中学校数学授業成功の極意」(明治図書)など多数。
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