愛される学校づくり研究会

お母さんは学校の応援団長

★このコラムは、小牧市立小牧中学校のホームページ「小牧中PTAの部屋」を運営されていた斎藤早苗さんによる保護者コラムです。「愛される学校づくり研究会」から強くお願いして、保護者の目から見た学校や教育について執筆していただくことになりました。ご自身は「私は学校の応援団長」と称しておられますが、さてどのような切り口で学校教育に迫っていただけるのでしょうか。とても楽しみなコラムです。

【 第38回 】学校事務職員さんへの想い(1)

◆「第13回日本スクールビジネス研究会シンポジウム」に参加

去る2016年3月5日(土)、愛知県一宮市で「第13回日本スクールビジネス研究会シンポジウム」が開催されました。
  主催メンバーのお一人でもあり、当愛される学校づくり研究会のメンバーでもある風岡治さんに声を掛けていただき、シンポジストの一人として参加させていただきました。
  たくさんの参加者のほとんどが「学校事務職員」であるということ、全国から参加されていたということに驚きました。
  貴重な機会をいただいたことに感謝し、シンポジウムのご報告と、感じたことをお伝えしたいと思います。

◆職員室の中の「先生以外」の人々

保護者の皆さんは、職員室の中には教員以外の職種の人々がいらっしゃることをご存じでしょうか?

 学校の職員室には、「先生以外」の人々がたくさんいらっしゃいます。
  事務職員さん、用務員さん、学校司書さん、スクールカウンセラーさん、さらにスクールソーシャルワーカーさんがいらっしゃる学校もあります。
  こうした「先生以外」の人々は、どの学校にもいらっしゃいますが、上記のすべての職種の人がいるとは限りません。
  しかし、こうした人々が担われる仕事は、どの学校でも必要なことですから、足りない部分は先生方が分担されていますし、スクールカウンセラーさんやスクールソーシャルワーカーさんは、複数校を掛け持ちで担当されていることがほとんどです。
  直接保護者と関わることが少ない、こうした職種の人々のお仕事は、あまり知られていませんが、学校のために、子どもたちのために、大切な仕事をしてくださっています。
  学校は、HPなどを通じて、こうした人々のことを、もっと保護者や地域の人々に向けて発信してくださるといいなと思います。

◆「学校事務職員」ってどんな人?

そんな「あまり知られていない職種の人々」の中でも、「学校事務職員」のことは身近な方だと思います。
  入学説明会などで集金についての説明をしてくださる機会もありますし、学校で事務関連のお仕事をされている人がいる、ということは、ほとんどの保護者が知っているでしょう。
  とはいえ、具体的にどのような仕事をしているのか、ということまでは伝わっていません。

私の住む小牧市では、給食費などの徴収金は預金口座振替を利用していますので、子どもに直接お金を持たせることはほとんどありませんが、学校ではさまざまな集金があります。それだけでなく、給付金などの関連の手続きもいろいろあります。
  さらに、子ども関連のことばかりではありません。先生方の出退勤の管理や、出張にともなうさまざまな事務手続き、旅費の精算等々、その業務内容は多岐にわたっています。
  最近では、校務のICT化が進んだおかげで、以前に比べれば業務の時間短縮ができているのでしょうが、必要な事務手続きの数は増えているそうで、仕事が楽になるということはなさそうです。
  「学校事務の共同実施」という制度を取り入れている地域もあるそうですが、事務職員の人員削減にともない、各人への負担は大きいままだ、という話も聞きました。

  私たち保護者の意識の中でも、事務職員さんは「先生じゃないから」という、あまり関係やかかわりがないという気持ちがあると思います。
  しかし、上記のように、私たちの見えないところで、学校運営を支えるとても大事なお仕事をしてくださっているのが、事務職員の皆さんです。
  シンポジウムで、こうした事務職員の皆さんのお話をお聞きしながら、認識を改めなければいけないな、と痛感しました。
  子どもたちが、不自由なく、毎日の学校生活を送れるのは、こうした人々に支えられていることを、保護者も知り、感謝の気持ちを持ちたいものですね。

(2016年4月11日)

斎藤さん

●斎藤 早苗
(さいとう・さなえ)

愛知県在住 の3人の子供たちの母。
小牧市立小牧中学校にて、2014年度に、開校以来初めての女性PTA会長を務めた。
2012年春、玉置崇先生が校長として小牧中学校へ赴任されたのを機に、学校HP内の「PTAの部屋」の自主運営を始め、3年間にわたり、PTAの各委員会活動だけでなく、学校HPで発信される「学校の想い」に応えながら「保護者の想い」を発信して、学校と先生を応援してきた。
学校と保護者の温かい交流がある「愛される学校」が、全国に増えるといいなと願っているお母さん。