愛される学校づくり研究会

お母さんは学校の応援団長

★このコラムは、小牧市立小牧中学校のホームページ「小牧中PTAの部屋」を運営されていた斎藤早苗さんによる保護者コラムです。「愛される学校づくり研究会」から強くお願いして、保護者の目から見た学校や教育について執筆していただくことになりました。ご自身は「私は学校の応援団長」と称しておられますが、さてどのような切り口で学校教育に迫っていただけるのでしょうか。とても楽しみなコラムです。

【 第26回 】子どもにつけてほしい力(1)

◆子どもに学校で学んでほしいこと

子どもは、学校でたくさんのことを学びます。
 学校で過ごす時間の大半が「授業」ですから、いろいろな教科を勉強しますね。
 学習指導要領では、それぞれの教科において、どのようなことを勉強するか、どのような力をつけさせるのか、ということが決まっていますが、私たち保護者には、そのような難しいことはわかりません。
 そこは、教えるプロである先生方にお任せするわけですが、我が子の幸せを願う親として、子どもに、これだけはしっかり学んでほしい、と思うことをいくつかお話ししたいと思います。

◆学力とは

もちろん、多くの親が学校に一番期待しているのは「学力をつけること」でしょう。
 テストで良い点数を取り、良い成績であれば、親もうれしい。
 でも、私は「学力」にはそれだけではなく、「学ぶことを楽しいと思える力」の意味も込めたいと思います。
 子どもの時に「学ぶって楽しい!」と思えれば、その子どもたちはきっと「自ら学ぶ大人」になっていくと思うのです。
 学校が、「あんな大人になりたいな」と子どもがあこがれる、「楽しく学ぶ大人」(先生や保護者)がいる環境になるといいなと願っています。

◆読み・書き・そろばん

昔から言われていることに、「読み、書き、そろばん」という言葉があります。
 この3つは、主に「国語」と「算数」が基礎になっています。
 よく子どもは、「こんなことを勉強したって、将来、何の役にも立たない」と文句を言いますが、人間のベースを形成していく上では、いろいろな教科の勉強をすることは大切なことだと思っています。
 その中でも、「国語」と「算数」は、とくに重要だと感じています。

私たちは言葉で思考しますから、言葉を知らなければ、考えや思いをうまく人に伝えられませんし、相手のことを理解することもできません。
 もちろん「耳学問」で、聞くことで言葉を覚えることはできますが、「読める」ことで、もっとたくさんの言葉を知ることができます。
   せめて、新聞がスラスラ読めて、書かれていることの意味がわかるようになってほしいと思います。 そのためには、ある程度の漢字が読める力が必要です。
 小学生には、漢字の書き取りの宿題が毎日のように出されますね。このような反復練習をさせることへの是非が議論されることがありますが、子どものころに覚えたことは忘れにくいので、方法論はともかく、しっかり覚えてほしいなと思っています。

「書く」ことは、大人でも苦手な人が多いようです。
 書きたい内容の論点を整理して、人に伝わるように言葉を選び、文章にすることは難しいことですね。 ここでも、たくさんの言葉を知っていることは、重要な要素になります。
 文章は、たくさん書く練習をすることでコツがつかめますし、慣れてこれば書くことに抵抗感もなくなってくると思います。
 「手紙」のように、重要なコミュニケーションのツールとなる作文もありますし、考えを整理することにも役立ちますから、「書く」こともしっかり学んでほしいことですね。

「そろばん」というのは、計算のことを指しているので「算数」ですね。
 数の概念を知ることや簡単な四則計算は、すべての基礎になりますから、やはりできるようになってほしいことです。
   とくに「九九」は大切です。
 おそらく、日本中の小学2年生が、九九が暗唱できるように指導を受けているはずです。先生から合格がもらえるように、毎日毎日練習しているおかげで、どの子も九九の暗算ができるようになります。
 しかし、時々、九九の計算がおかしな大人に出会います。分数の計算ができない大学生がたくさんいる、というニュースが話題になったこともあります。
 計算ができないことは、大人になってから恥ずかしい思いをすることになります。ですから、子どものときにしっかり基礎を学んでほしいのです。

◆今一度「基礎・基本」を見直す

先日行われた「全国学力・学習状況調査」では、応用力を問われる問題に注目が集まりました。
 最近の教育のトレンドは、応用力をつけることにあるようですね。
 たしかに、応用力を発揮して、新しいものを創り出す力になるといいなと思います。
 でも、応用するためには、基礎が大事です。土台がしっかりしていなければ、その上に建物が立たないのと同じことですね。

「基礎が大事」。先生も親も、十分にわかっているはずですよね。
 しかし当たり前のことすぎて、少しおろそかになってはいないでしょうか。
 基礎力をつけるためには、地道な努力が必要ですから、子どもはイヤになりがちですし、親は見栄えのする結果の方に惹きつけられてしまい、基礎や基本にはあまり目を向けません。

子どもたちの「なぜ?」「どうして?」という知的好奇心は、応用力につながっていくでしょう。
 その発想力を育てるためにも、「基礎力」をしっかり身につけさせることを、おろそかにしないようにしたいものですね。

(2015年5月4日)

斎藤さん

●斎藤 早苗
(さいとう・さなえ)

愛知県在住の3人の子供たちの母。 頼まれると断り切れない性分で、幼稚園から中学校まで、何度もPTA活動に参加。
2012年春の玉置崇校長先生の小牧中学校赴任を機に、学校HP内の「PTAの部屋」の自主運営を始め、PTAの各委員会活動をHP上で保護者にお知らせしてきた。
また、学校HPで発信される情報に対しての「保護者の想い」を発信しながら、学校と先生を応援している。
他校にも「PTAの部屋」が広がって、「愛される学校」が増えるといいなと願っているお母さん。