愛される学校づくり研究会

★新教育コラム「学校マネジメント考」開始にあたって

 管理職には、特に「学校マネジメント力」が必要であると言われるようになりました。ところが、愛される学校づくり研究会の中で「学校をマネジメントするとは具体的にどういうことか」ということを話題としましたが、お互いになかなか明確に示すことができませんでした。
 そこで、それぞれが考える「学校マネジメントの具体例」をリレーで示しながら、考えを深めていくことにしました。皆さんからもご意見をいただきたいと思い、いわば研究会の内部資料ですが、その公開もかねて、この教育コラムを始めました。

学校マネジメント考【7】 
 ― 半田市立成岩中学校長 鈴木 正則

本コラムでは、学校マネジメントの流れを、「(1)現状を把握する (2)原因を特定する (3)目標を設定する (4)手段を企画する (5)集団意思を決定する (6)手段を実施する (7)比較(評価)する」と段階的にとらえ、執筆者がかわりながら各段階についてコラムリレーをしている。玉置先生から始まり、これまでに「(5)集団意思を決定する」までがつづられてきている。私は「(6)手段を実施する」について私見を述べたい。
 「手段を実施する」にあたり、校長はどのようなマネジメントを考えたらよいか、次の視点で考えたらどうであろう。「職員をどう動かすのか」と「校長がどう動くのか」の2つである。


 1つ目、「職員をどう動かすのか」について,校長として肝に銘じておきたい指摘がある。それは「人は本来、人の命令では動かない。人は命令の背後にある状況の理解・納得で動く」ということである。上記(3)〜(5)の過程で、状況と手段について理解と納得ができていることが重要となる。しかし、「それはよいことだとわかっているが、やるとなると・・・」と、職員が手段を実施する(取組を実際に行う)ことに二の足を踏む場合がある。それでは、どう職員を動かしたらよいのか。私なら次のようにする。 

チームをつくる
  ・推進役となるチームをつくるとよい。
  ・推進役のチームが渦を起こし、職員全体で取り組む雰囲気づくりを期待する。
 チームをどう組織するのか 
  ・チームはミドルリーダーを中核にしたものとする。
  ・チームの中に、管理職とのパイプ役をつくる。(企画委員会のメンバーをいれる等)
  ・チームの中にキーパーソンを入れる。キーパーソンはチーム内に良い意味の影響力をもつ人物や人材育成の視点にたって選ぶ。
チームが動くようにするにはどうするか
  ・チームに具体的な実施スケジュールをつくらせることはもとより、評価項目や評価指標をつくらせる。
  ・チームは管理職や企画委員会等に定期的に報告し、助言を受ける。
  ・チームは改善点や軌道修正について管理職などに意見を具申する。
  ・教頭、主幹は、チームの動きが停滞した場合や人間関係のもつれなどがあった場合のフォローをとり、ミドルリーダーの負担にならないように配慮する。


 2つ目、「校長がどう動くのか」について、校長は手段の実施(取組を実際に行う)を成功させるよう役割を果たす。その場合、強力なリーダーシップを発揮する場面もあるだろうし、プレイングマネージャーとして動いたりする場面もあると考える。私なら次のよう動く。

チームに対して
  ・推進役となるチームとの意思の疎通を欠かさない。特にミドルリーダーとの対話を大切にする。
  ・取り組む事が「おもしろい」、「やりがいを感じる」させるようにアドバイスし、チームの活動力を増幅させ、全体へ影響を与える。
職員全体に対して
  ・渦を起こす。
  推進役となるチームの動きを職員に具体的に伝える。その際、価値付けをして伝える。
  ・渦を大きくしていく。
  取組の途中段階で小刻みな評価をして、分析・協議の場を継続してもつ。職員全体でだんだんと取組を進行させているのだという意識をもたせる。
  ・渦を広げる(地域へ)
  取組の途中経過(小刻み評価)を保護者や地域に伝え、意見をいただくなどしてよき理解者となってもらう。保護者や地域の後押しをいただく。
  ・自分が範をしめす。自分の姿で示す。
  校長が授業をして見せる。率先して行動する。等


 学校マネジメントの流れ「(6)手段を実施する」に係る校長のマネジメントの方法について私見を述べた。手段を実施しながら,職員全体のモチベーションをあげ,質のよい教育活動に進展・深化していくようにしたいものである。そのためには小刻みな評価活動によって,“DOしながらのCheck”“小さなCheckと小さなActionの連続”をすることが大切だと考える。

(2011年12月26日)

学校マネジメント考

●鈴木 正則
(すずき・まさのり)

愛知教育大学大学院で数学教育専攻、複式学級の指導を皮切りに、小学校10年間、中学校8年間勤務し、多彩な教職経験をもっている。平成16年度から5年間、豊田市教育委員会指導主事を務め、平成21年度から半田市立成岩中学校長。愛知教育大学志水廣教授と算数数学教育について、教育図書や論文(日数教学会誌)を共同執筆、自主研修会を開催している。持ち前の明るさとバイタリティをいつまでも持ち続けることが私のモットー。