愛される学校づくり研究会

★ベテランの先生方によるリレー方式のコラムです。校長、教頭、教務主任、校務主任などを経験された先生方に学校経営上のちょっとしたアイデアを紹介していただきます。今回は…

【第5回】長江 啓司 先生

《知恵8》 評価・評定の分析結果を全職員に配付する

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通知表作成に時期になると、多くの学校で、教務主任が評価・評定の転記ミスはないか調べている。もちろん重要なことだが、中には点検をすることが仕事だと勘違いをしている教務主任がいる。点検作業は、本来、教務主任の仕事ではない。評価・評定の妥当性を精査することこそ、教務主任がすべきことである。ICTを活用することによって、それは可能になる。あと必要になるのは、それをいかに価値あるものにしていくかということである。

  その方法として、全教科の評価・評定の妥当性を分析し、すべての教師にそれを配付するとよい。すべての教師に配付することがポイントだ。とりあえず解決しようと思えば、評価・評定の見直しを促したい教師だけに示せばよい。しかし、それでは根本的な解決にはならない。すべての教師に分析結果を配付し、多くの目で見つめ直す機会を持つことこそ、学校全体の絶対評価の精度を高めることにつながることを実感している。
 

《知恵9》 年度始めに、学校リーダーが、プレゼンを使って方針説明

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年度当初は、誰もが新鮮な気持ちで1年間頑張ろうという気持ちでいる。このときに、学校リーダー(校長、教頭、教務ら)は、ぜひ熱い思いを職員に伝えておきたい。その一方法として、紙媒体ではなく、コンピュータを使って、ビジュアルにプレゼンをすることは、とても効果的だ。意外性があること、そして、プレゼンを作ることで、伝えるべき内容もシャープになるからだ。また、学校リーダー自身が、経営方針や服務に関わること、教科指導や生徒指導の基本的な姿勢などを明言することは、自分自身への戒めにもなる。

  実際に取り組んでみると、誰もが分かっていると思われるような当たり前のことでも、実際には、いい加減にされていたことに気づいたり、あらためて確認したことで、共通認識が持てたことがいくつかあった。

(2008年4月14日)

知恵袋

●長江 啓司
(ながえ・けいじ)

「わかりやすく楽しい授業」をモットーに、授業はいつも汗をかきかき、真剣勝負。声の大きさとその熱血漢で、今まで数多くの生徒を圧倒。趣味はコンピュータで、今までに作った自作・改造PCは数知れず。最近は学校教育におけるICT活用や情報モラル教育の推進で活躍中。平成20年度から小牧市立桃ヶ丘小学校教頭。