愛される学校づくり研究会

★このコラムは、ベテランの先生方によるリレー方式のコラムです。先輩教師として若い先生方に、「こんなことをしたらうまくいかなかった」といった失敗談を語っていただきます。

【第10回】杉山 英俊 先生
「テストづくりの苦い思い出」

平均点37点。
 これは、中学2年数学2学期中間テストの学年平均点。テスト返却のとき、私が生徒たちに思わず言った言葉は、「今回のテストは、忘れましょう!」でした。しかし、今も忘れることができない出来事です。落ち込んだ生徒たちの気持ちを何とか解きほぐそうとして、出た言葉です。今振り返ってみると、随分勝手なことを言っていたと思います。
 当時、私は新任2年目。1年、2年と持ち上がった学年です。
 手塩に育ててきた学年の生徒たちにショックを与えてしまった・・・。
 どうしてそんなテストを作ってしまったか・・・。
 これは、全く私の思い込み、独りよがりであったと今でも反省しています。


 事の成り行きは、次のようなことです。
 市の数学教育研究会(伝統ある自主研究会)も盛んであり、私も学習指導法班に入れていただき、夜遅くまで集まって、先輩の先生方から、授業の進め方、指導書の研究の仕方、さらには生徒指導、部活動指導なども含めて、いろいろ学んでいました。
 ある日、過去のテストを持ち寄って勉強する機会があり、先輩の先生のテストを見せていただいて驚きました。テスト問題はいわゆる応用問題ばかりの20問でした。私自身は単純に感化され、ある程度力をつけてきた(と私は思っていた)生徒たちにも、同様なテストを実施してみたいと思ったのです。


 結局、中間テスト実施後、改めて再テストを実施することにしました。再テストは、中間テストの問題の中から出題するものを絞って示し、併せて基本となる問題をプリントで示し、その中から出題しました。何とか取り繕ったような形になったものの、やはり、生徒たちのショックは大きいものでした。
 定期テスト問題の作成については、観点別評価を考えながら、授業で指導した内容などの基礎的・基本的な問題と、生徒たちの可能性を引き出すような発展的な問題をバランスよく出題することが大切です。
 また、教科部会などで見てもらうことも大切です。そして、教師として、平均点を予想し、その結果がある程度予想の範囲内であるべきだと思います。指導と評価はやはり一体であり、質の高い授業を行い、課題や平常テストを計画的に行い、定期テストでは生徒の学習した力を適切に評価し、生徒にとっても、今後の自信と学習意欲につながるようにしたいものです。

(2008年2月4日)

失敗から学ぶ

●杉山 英俊
(すぎやま・ひでとし)

昭和35年生まれ。中学校教員生活20年以上。剣道部、ソフトテニス部の顧問を経験。学生時代はワンダーフォーゲル部に所属。山登りのごとく「粘り」を信条としている。また、最近、山や海など、時々大自然を見ることが大切だと感じている。