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新潟市立亀田東小学校 平成22年度5年生

目指せ! バリアフリー

5年生の総合学習では、「“障がい”のある人の努力や生き方から自分を見つめなおす」ことをねらいとして、福祉について学習しています。アイマスク体験をしたり、暮らしの中で見られる目の不自由な方のための施設や、点字が用いられている場所・商品などをみつけたり、私たちがどんなことができるかを話し合ったりして学習を進めてきました。さらに、ゲストティーチャーをお迎えして話を聞いたり、亀田駅の福祉ゾーンを歩いたり、ふれあいプラザに見学に行ってきたりしました。学習は引き続き、聴覚障がいの方をゲストティーチャーにお迎えし、お話を聞いたり、手話を習ったりします。  “障がい”をもっていても、前向きに生きていることに気付き、勇気をもらいました。また、自分たちにできることは何か…そんな思いをもちはじめた子供もいました。学習を通して、「福祉の心」「自分の中のバリアフリー精神」を育てていってほしいと思います。  (平成22年度第5学年担任 尾形 美穂)

PART.1 アイマスク体験からゲストティーチャーをお迎えして…

アイマスク体験1
2人一組で、アイマスクをして、目が不自由な方の歩行を体験しました。「まわりが見えないことが、こんなに怖いとは思いませんでした。」どの子も目が見えないときの歩行に不安を感じたようです。
アイマスク体験2
目の不自由な方は、歩行の時に白杖を頼りに歩くそうです。そのほか、道案内や誘導してくれるヘルパーが、つくこともあるそうです。アイマスクをしている子をもう一人の子が、ヘルパーさんになって、廊下や階段を歩きました。
松永さんのお話
アイマスク体験後、新潟県視覚障害者福祉協会理事長の松永さんをお迎えして、目が不自由だと困ることや目が不自由な方が使う道具などについてお話を聞きました。「目が不自由になってから、嬉しかったことは何ですか?」という子供からの質問に対して松永さんが、好きなことができたことや人との出会いの話などをしてくださいました。その前向きな生き方に、勇気をもらいました。
点字を教えてもらおう。
お話を聞いた後、各教室で松永さんから点字の読み方や打ち方を教わりました。指先に全神経を集中させ、目をつぶりながら読んでみました。
点字を打っています。
点字の読み方が分かったところで、次は点字を打ちました。専門の道具で五十音を打った後、自分の名前を打つことに挑戦しました。
打った点字を読んでもらっています。
自分打った名前を松永さんに読んでもらいました。「○○さんですね。」名前を呼んでもらった子は、うれしそうな笑顔で「そうです。」と答えていました。目が見えなくても、嬉しい気持ちは、松永さんにしっかり伝わっていました。松永さんも笑顔で答えてくれました。この日の松永さんへのお礼の手紙を点字で打ちました。きっと喜んでいただけたことと思います。
盲導犬ブレス来校
9月24日には、盲導犬ハーネスの会の赤塚さんと盲導犬ブレスが、来校しました。盲導犬をつれている人に出会ったときのお願いや注意事項を聞いて、自分にできることについて意識が高まってきました。

PART.2 ふれあいプラザをたずねて…

ふれあいプラザに出発!
心配されたお天気でしたが大降りにならず、予定通りふれあいプラザ見学に。児童玄関前で出発する前に、注意事項を確認しました。
施設の方のお話
職員の方からふれあいプラザが、どういう施設かについて説明を聞きました。点字図書館をはじめ、聴覚障害の方ための映像ライブラリーやリハビリ施設、スポーツ施設などについてそれぞれの担当職員の方から話を聞きました。
メモを取りながら聞く子供たち
その話をしっかりとメモしながら、真剣に聞いていました。
施設内を見学
施設内の見学に出発。いたるところに「人に優しい」工夫がされていました。静かに右側通行。廊下ですれ違う方とも笑顔であいさつしたり、車椅子の方が通りやすいようによけたりと、マナーを守って見学することができました。
点字図書館
これは、点字図書館に貼られている点字表です。点字図書館では、点字の本を貸し出すことの他に、文字の本を点字に直すという作業を行っているそうです。
手話のテレビ
これは、聴覚障害の方のための部屋にあるテレビです。音声を手話で伝える映像が流れていました。それに見入って自然と手話のまねをする子供たちです。
音で判断。目の不自由の方の卓球
卓球場にも行きました。ボールに鈴が入っていて、目が不自由な方でも卓球が楽しめるのだそうです。正式名称は「サウンドテーブルテニス」というのだそうです。
亀田駅のバリアフリー
ふれあいプラザを後にし、亀田駅にバリアフリーの設備をさがしに出かけました。点字ブロックの道路をはじめ、横断歩道などを知らせる音声が流れるスピーカーや案内表示の工夫など、たくさんのバリアフリーがあることを改めて発見し、驚きました。
券売機の点字
券売機でも点字を発見!「こんなところにもあるなんて…気付かなかったね。」顔を見合わせて話している子供たちでした。

PART.3 聴覚障害とは? ゲストティーチャーをお迎えして…     

ビデオを見ながら
聴覚障がい者の方について学ぶ学習がスタートしました。ゲストティーチャーをお迎えする前に、各教室で手話についてのビデオを見ながら、手話を少し学びました。
手話
事前に配った手話の学習プリントです。休み時間などもこれを開いて、練習している子もいました。
指文字
事前に配った指文字の学習プリントです。手話の他にひらがな50音や数字などを表す指文字を使って会話することもあるそうです。
勝本さんの手話教室
ゲストティーチャーの勝本さんと手話通訳の清野さんをお迎えして、手話教室を行いました。まずは、勝本さんの体験から聴覚障がい者の方についての話を聞きました。勝本さんは、子供の頃は、聞こえていたこともあり、話し言葉と手話を使って、お話をしてくださいました。
真剣にメモ
勝本さんのお話を真剣に聞いて、メモしていました。勝本さんは、「相手が、ジェスチャーや手話で自分に何か伝えようとしてくれるときがあります。相手が何を伝えようとしてくれているのか、分かろうとする気持ちが、大切です。」とおっしゃていました。私たちにとっても大切なことだと思いました。
勝本さんの手話教室その2
お話の後は、手話を実際に教えていただきました。当たり前ですが、日本語の数だけある手話の数。あいさつなどを中心に教えていただきました。
手話をやってみようその1
「ありがとう」「こんにちは」などたくさん教えていただきました。勝本さんのまねをしながら、何回も練習しました。
手話をやってみようその2
手話に夢中です。友達と「これでいいのかな?」と確認し合ったり、教え合ったり時間は、あっという間に過ぎました。
亀
勝本さんに「亀田東小学校5年生」の手話も教えていただきました。写真は、手で生き物の亀の形をつくっています。これが、「亀田東小学校5年生」の「亀」の手話です。
田
「亀田東小学校5年生」の「田」は、漢字の形を作って表します。
東
両手で太陽を表わし、上のあげます。「亀田東小学校5年生」の「東」の手話です。「西」はその逆ですね。
小
「亀田東小学校5年生」の「小」です。両手で「小」の字の漢字を表しています。
学校
「亀田東小学校5年生」の「学校」です。この手話の形…学校の何を表していると思いますか?本を読む、本を持っている手を表しています。学校は、“勉強するところ”ということですね。たくさん教科書や良い本を読んで、勉強しましょうね。
5
「亀田東小学校5年生」の「5」です。指の数を考えるとパーの形でいいのかなと思いましたが、それだと違う意味になってしまうのだそうです。「5」の他にも様々な数字の表し方も教えてもらいました。
年
最後に「亀田東小学校5年生」の「年」です。木の“年輪”を表しています。これで、完成です。皆さんもやってみてくださいね。
ともだちになるために
楽しかった手話教室もあっという間に終わりました。最後に、お礼も兼ねて学習発表会で発表した手話の歌「ともだちになるために」をみんなで歌いました。実際に使っている手話とは、ちがう部分もあったようですが、勝本さんには、子供たちの気持ちが、伝わったようです。楽しく、真剣に学ぶことができた貴重な時間でした。

PART.4 養護学校で学ぶお友達

ゲストティチャー
この日は、養護学校に通う坂井拓真さんとお母さんが担任の先生と一緒に学校に来てくださいました。 拓真さんは、6年生。勉強の他にもいろいろなことに挑戦しています。今は、友達と一緒にバンドを結成。担当はキーボードだそうです。 これまでにも東っ子ピクニックや大空祭などの活動に参加してくれました。だから、東小の友達もいっぱいいます。
ゲストティチャー
拓真さんの担任の先生からは養護学校では、どんなお友達が、どんな学習をしているのか施設や設備にどんな工夫がなされているのかなどのお話をしていただきました。 拓真さんは、私たちと同じ勉強の他に身体を動かす学習や自分で生活していくために必要な学習活動をしているそうです。苦手な学習や苦しいこともあきらめずに頑張って取り組んでいます。
メモをする児童
「身体に不自由なところがあることで、不便だなぁと思うことがあっても、それは“かわいそう”ということではありません。“幸せ”は、充実した一日を精一杯過ごして、今日もがんばったなと感じられる一日を過ごせることだと思います。」というお母さんのお話が心に強く残りました。拓真さんから「決してあきらめないこと」「チャレンジすること」の2つのメッセージを子供たちもしっかりと受け止め、感想にまとめました。