新潟市立亀田東小学校 平成21年度5年生
思い出あふれる林間学校(2009.9.18)
亀田東小学校では,5年生になると家や学校を離れた施設で,1泊2日の学習活動を行います。大自然に囲まれた宿泊施設で,普段の生活では得られない事柄にチャレンジすることで,協力することの大切さを学ぶとともに,自主自立の精神を養います。
(平成21年度情報教育部・第5学年担任 鷲尾)
PART.3 第2日目(9/18)野外炊飯・退所チェックに向けた美化活動等
〈寝具整理〉
退所時に厳しいチェックがある自然の家。毛布のたたみ方,向き,ゴミ箱やハンガーの位置等も細かく定められています。合言葉は「使う前より美しく」。過去2年間,先輩たちは,やり直しを求められることなく1回で合格しています。また,自分たちの近隣の小学校も同様であると聞いた子供たち。先輩や同じ学年の仲間ができて,自分たちにできないわけがありません。意地とプライドをかけて徹底的に美化活動を行う子供たちでした。
自然の家は,ホテルや旅館ではありません。眠い目をこすりながら,朝の美化活動がスタートします。
定められた手順で4枚の毛布を畳む子供たち。方向を互いにチェックし合いながら,協力して行っていました。
畳んだ毛布を置く位置や向きも決まっており,これも友達と確認しながら,丁寧に置いていました。
朝のつどい。さわやかなあいさつを互いに交わすとともに,代表からは前夜のエピソードも披露されました。
校旗掲揚。進行役が急きょ指揮を行い,校歌を歌うことに。五頭の大自然の中に校歌が響き渡ります。
生活班での朝食タイム。夜の話題あり,これから始まる野外炊飯についての話題あり…。
野外炊飯がスタートした中,退室チェックを受ける生活班室長。本校は,過去2年間このチェックを1回でクリアしており,「今年も狙うぞ!」と決意し,取り組んだ子供たちでした
反面「本当にできるかなあ。」「自信ないなあ。」という声も。
「合格です!」「やったー!」喜びを爆発させるとともに,ほっと胸をなでおろす室長。
〈野外炊飯〉
一人で火をおこし,野菜をカットし,飯ごうでご飯を炊く。それは11歳の子供たちにとって限りなく不可能に近いこと。
しかし,仲間と協力すればその不可能が可能となります。カレーライス作りを通して,仲間と協力することの大切さ,仲間と一つのことをやり遂げる達成感を味わいます。
3つの係に分かれて「協力」をテーマに活動します。写真はカレー係。玉ねぎのカットに悪戦苦闘しながら,準備を進めていました。
火にかける前にクレンザーをたっぷり塗り,その後の作業の手間を省きます。
こちらはかまど係。どの班もまきに火をつけることができました。まきをくべては,うちわであおぎ,火力をキープします。
目にしみる煙,滴り落ちる汗。かまど係は,煙と熱との根競べ。それでもその場を離れるわけにはいきません。
飯ごうを用いてご飯を炊くご飯係。噴きこぼれが始まったら,ふたに棒をあて,中の水分の状態を感じ取ります。
カレーの鍋がグツグツ煮え立ってきました。おそるおそるふたを開け,あくをていねいに取り除きます。
「そろそろ火が通ったんじゃない。」
ジャガイモとニンジンでチェック。
「さあ,ルーだ!」
ルーを入れ,ゆっくりとかき混ぜとろみを出します。完成間近です。いい匂いが立ち込めてきました。
ご飯係はひっくり返した飯ごうを新聞紙でゴシゴシ。…なるほど,すすを落としているのですね。
「うわーっ,おいしそーう。」
思わずゴクリと子供たち。
「さあ,食べよう!」
「ご飯盛るね!」
こちらも上手く炊けた様子。
さあ,テーブルに移動です。
「いただきまーす!」「カンパーイ!」
あちこちで聞こえる元気な声。カレー作りの成功を物語っています。
カレーをぱくつきながら記念撮影。近隣の班と互いに味見し合いながら,その違いを表現していました。
食後は,全員で後片付け。こちらの食器チェックも2年連続1回で合格している本校。3連覇を目指し頑張る子供たちです。
飯ごうのそこにこびりついたご飯を落とすのがことのほか大変だったようです。
〈退所式・解散式〉
初めあれば終わりもあり。「最初から最後までみなさんのあいさつは素晴らしい。」と評された子供たち。学校に戻っても,疲れた自分を奮い立たせて,元気よく,さわやかに声を出し続けていました。
部屋の清掃,飯ごう炊飯の後始末。見事どちらも1回で合格した子供たち。自然の家から記念品の贈呈を受けます。
所員の方からは,「沢登りやキャンプファイヤーは1人でできない。でも全員の力を合わせればできるんだ。みんなで力を合せることってすごいことなんだよ。」とお話しいただきました。
実行委員長の総括あり,各クラス代表の感想発表あり。子供たちはもうくたくた。実は帰りのバスではかなりの子供たちがぐっすりといった状態でした。
最後の力を振り絞って,背筋をピンと伸ばし,一生懸命仲間の話を聞こうとする姿が多く見られました。子供たちのたくましさ,成長を感じた瞬間でした。