愛される学校づくり研究会

校長塾 経営力を高めるためのポイント

★このコラムは、平成25年3月から9月まで、26回にわたり、日本教育新聞に連載をしてきた「校長塾 経営力を高める最重要ポイント」の続きです。「ぜひ継続を」という声をいただき、この場をお借りすることにしました。校長としての様々な実践事例を紹介しながら、私が考える学校経営力を高めるためのポイントを示していきたいと思います。主な対象は、若手管理職やミドルリーダーのみなさんです。「なるほど!こういう方法があるのか」「このようなことに心掛けるべきなのか」と、心の中にストンと落としていただけるコラムになるようにいたします。どうぞよろしくお願いします。

【 第2回 】文書はデジタルで一元化
      ―野口悠紀雄の「超整理法」を実践―

今回は文書や資料をどう整理しているかを紹介します。

小牧市では、市教委と小中学校間は専用線で結ばれ、各学校同一の校務支援システムが導入されています。そのため、市教委からの管理職宛文書は、このシステムによって配信されることがほとんどです。返信が必要なものは、記入用の文書も添付されていますから、その文書も含めて、貸与されているコンピュータにダウンロードします。フォルダ単位でいくつかの文書をまとめてダウンロードできますので、その後の整理も便利です。私は、フォルダ名の先頭に「20131021」のように、ダウンロードした期日を付け加えて、文書フォルダにそのまま移動させます。こうしておくと、フォルダには時系列にフォルダが並ぶことになります。かつて野口悠紀雄の「超整理法」を読み、時系列に並べておくことで、引き出しも廃棄も一番効率的にできることを実感して以来、そのようにしています。もっとも管理職宛の文書は、教頭さんに処理していただくことが多く、自分は内容を確認しておくだけということがほとんどです。優秀な教頭さんに楽をさせていただいています。

資料の保存については、ICTをフル活用しています。

次から次へ各種資料(教育系新聞、定期冊子等)が届きます。すべてに目を通している時間はありません。これは誰しも同じだと思います。

まずは、保存すべき資料かどうかを判断します。タイトルを見てから、本文を斜め読みします。自分が弱い分野と認識している法令系の内容については、注意して目を通します。また、現在の学校の教育課題(いじめ・不登校・ネットトラブル等)に関するものも、入念に目を通します。そして、学校経営や教師の力量向上に関する資料もチェックして、保存すべき資料を決めます。

それをA4判の大きさにコピーして資料の大きさをそろえます。次に、ドキュメント・スキャンを活用して資料をデジタル化し、ネットワーク上に自動的に格納するようにしています。こうすることで、ネットワークに接続すれば、どこからでもデジタル化した資料を閲覧できるわけです。

会議や研究会に参加した時のメモでは、タブレットPCの手書きアプリを利用しています。以前はA6判のノートに手書きをしていましたが、保管を一元化することができず、現在の方法に変更しました。タブレットで書いたメモも自動的にネットワーク上に格納するようにしてあります。先に紹介した文書と同じところに、時系列に並んでいますので、後日、そのメモを活用する頻度が高くなりました。ノートにメモしていた時には、必要事項を探すのに数冊のノートを見返すこともあって、時間がとられていました。現在は、デジタル化・一元化管理のよさを実感しています。

(2013年10月21日)

準備中

●玉置 崇
(たまおき・たかし)

1956年生まれ。1979年教員スタート。小学校、中学校教諭を経て、1998年教頭、2004年校長に就任。2007年より愛知県教育委員会指導主事、主査、海部教育事務所長を経て、2012年に小牧市立小牧中学校長に就任。学び続ける子供を育てるために、地域・保護者と一体となって「親子で学ぶ小牧中特別講座」など独自の取り組み実践中。
著書には、「玉置流・学校が元気になるICT活用術―ICTは学校力向上ツール 」(プラネクサス)「学校を応援する人のための学校がよくわかる本(1)(2)」(プラネクサス)「スペシャリスト直伝!中学校数学授業成功の極意」(明治図書)など多数。
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